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井伊テレ子がEテレの子ども番組や特撮・アニメの感想をぐだぐだと書き綴ります。

追悼、井出隆夫先生。

夏休み始まってすぐの2017年7月24日に、山川啓介さんの訃報が飛び込んできました。

 

作詞家として矢沢永吉「時間よ止まれ」や岩崎宏美「聖母たちのララバイ」など、誰もがよく知る歌謡曲を多数世に送り出してきた方なので、大手新聞各社がさまざまにこのニュースを伝えててですね。

ちょっと詳しい記事では特撮ソングやアニメの主題歌をたくさん手掛けたというような紹介もありました。え、あの曲もこの曲もそうだったんだ!?みたいにちょっとびっくりしながら読んだりしてました。

 

でもいちばん目に留まったのはこの部分。

 

山川啓介(やまかわ・けいすけ 本名・井出隆夫=いで・たかお)

 

山川啓介さん、井出隆夫さん。Eテレでもこのふたつのお名前はよく見かけます。番組によって違いますけど、同一人物です。

特に「おかあさんといっしょ」では井出隆夫さん名義で歌の作詞、過去の人形劇の脚本に長年携わってこられました。

2017年度に入ってからも『そよかぜスニーカー』の作詞でそのお名前を見たばっかりですよ・・・。それもついこのあいだ、4月の話ですよ・・・。亡くなったっていきなりすぎる。

 

今に至るまでのいろんな井出ソングにしんみりと思いを馳せていたら、この歌がふいに脳裏に浮かんで回りはじめました。 

♪忘れないよ、忘れないで。祈ってるよ、幸せにね。

 

「フックブックロー」のラストソング『握手でさよなら』(作詞:山川啓介)です。そのメッセージはまるで、去り行く老作詞家が地上に遺していったあたたかい眼差しのよう。

 

 

 

出会いはにこにこぷん

 

井出隆夫さんのお名前を初めて知ったのは「おかあさんといっしょ」の人形劇『にこにこぷん』でのことです。じゃじゃまるっ、ぴっころっ、ぽーろりぃー♪の『にこにこぷん』です。

どうでもいい話ですけど当時は文字があったら片っ端から読んでしまうという活字中毒な小学生でですね。本を読めば奥付まで、テレビ番組を見れば最後に流れるスタッフロールまで全部読むような子でした(今はそんなことはないけど)。

当然「おかあさんといっしょ」見れば毎度毎度流れるわけですよ。にこにこぷん脚本・井出隆夫って。そこで「井出隆夫」の4文字が頭に刷り込まれたわけですね。今でも井出隆夫イコールにこにこぷん、というイメージがあるのはそのせいだと思います。

ちなみに人形劇は1982年スタートの「にこにこぷん」から2000年終了の「ドレミファ・どーなっつ!」まで原作と脚本を担当されたそうです。

 

やがて年月が経って親として「おかあさんといっしょ」を見るようになっても、当たり前のようにいろんな歌に井出隆夫さんのお名前が出てきてて。

自分の子ども時代からはずいぶん時間が経ってるんだから、当然のように井出さんも年齢を重ねてるはずなんだけど、そんなことに全く気づきもしませんでした(笑)

ついこの前の2017年4月の歌『そよかぜスニーカー』の作詞も井出隆夫さんだったし、2017年5月のファミリーコンサートの脚本も井出隆夫さん。『ちょんまげマーチ』や『そうだったらいいのにな』といった定番曲も、きっと今後も歌いつがれていくんだろうなと思います。

 

なんかこうやって振り返ってたら、あらためて自分の「おかあさんといっしょ」の記憶のなかに、井出隆夫という存在はとても大きかったのだなぁと思い知らされました。

 

山川啓介であり、井出隆夫であり、そして寒太郎でもある

 

そして山川啓介といえば「フックブックロー」。脚本と作詞を担当し、作曲の服部隆之さんと共にたくさんの素敵なオリジナルソングを届けてくれました。

番組が終了してしまってもうあのキャストたちが全員集まるのは難しそうだなぁ、でもいつか特番ででも復活してくれたら嬉しいななんて思ってたけど、ここへきて大きな屋台骨を失ってしまいました。(・・・あとはケッサクくん頼んだ。)

 

意外なところでは「にほんごであそぼ」の公式サイトに井出隆夫さんへの追悼文が掲載されていたんです。なんと『恋そめし』『あさき夢みし』の作詞者、寒太郎さんの正体が井出隆夫さんだったんだそうで!!

多分このペンネームはご自身で作詞された「北風小僧の寒太郎」から取られたんだと思うんですけど・・・なぜ名前を秘する必要があったのか。詩の内容が乙女すぎるからイメージ崩さないように伏せたのか(笑)

つーか亡くなる間際にどんだけ仕事してんのこの御仁。次から次へと出てくる仕事の数々にもはや驚き呆れるほどです。

 

あと知らなかったところでは、ジバンギャバンあたりの、40代には懐かしい特撮ものの主題歌ですかね。この辺も井出作品だったと知った時、自分のなかではそれらの熱い歌詞が『そよかぜスニーカー』につながって妙に納得がいったんです。

特撮世界でのああいう実直に響く青臭いまでの豪速球を投げられる人なら、『そよかぜスニーカー』での気恥ずかしくなるほどの青春風味もお手のものだなと。むしろ子ども向けに抑えてるぐらいかもしれない(笑)

 

 

享年72歳。ご冥福をお祈りしつつ、相変わらずずっと頭の中をぐるぐる回ってるこの歌のフレーズで最後は締めようかなと思います。 

♪君から僕へと、僕から誰かに 伝わっていくんだ、もらった愛が 

井出隆夫さんが振りまいた愛やら情熱やら、それは確かに伝わってますよと。

 

​​​

北風小僧も。

 

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