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井伊テレ子がEテレの子ども番組や特撮・アニメの感想をぐだぐだと書き綴ります。

大地監督がぶっちゃけすぎて面白かった「激レア!おじゃる20 名作スペシャル」再放送されます。

ゴールデンウィークに「おじゃる丸」と「忍たま乱太郎」のスペシャル週があったんですけどね。表向きは過去の名作をまた放送しますよー!っていうよくある記念企画だったんですけどね。

実は、放送してる最中のその副音声で監督さんや声優さんがぶっちゃけ話をしてくれるという裏の企画が。なにそのマニアが喜びそうな仕掛け。

 

ということで案の定、深夜に再放送されることになったみたいです。どのぐらい深夜かっていうと日付変わってからです。絶対子ども向けじゃないなこれ。

まずは今週末、「おじゃる丸」の分をまとめて再放送します。放送時間は40分、そのなかで4話流れます。

 

激レア!おじゃる20 名作スペシャル
2017年6月4日(日) AM 0:30~1:10


今年、放送20年目を迎えた「おじゃる丸」の激レア名作をラインナップし話題を集めたスペシャル番組をまとめて再放送!副音声では、監督やキャストによる舞台裏トークも!

「マロがおじゃる丸でおじゃる」(1998年)
「ソナタの冬」(2005年)
「100回目」(2010年)
「おじゃる17」(2016年)

 

おもしろすぎたんで感想にまとめましたがこれから見るって人はネタバレ注意。

 

 

 

 

記念すべき第1話「マロがおじゃる丸でおじゃる」

 

最初は「マロがおじゃる丸でおじゃる」からでした。1998年の放送開始、記念すべき第1話になります。おじゃる丸がなぜ月光町に来ることになったのか、その原点となった話だということ。

おじゃる丸の声も初代の小西寛子さんですね。初期のシリーズは画面サイズがまだアナログ時代のものだっていうこともあって、まず再放送されることがないんです。こういう機会がないとなかなか見れないです。

 

この回の副音声は大地監督と渕崎ゆり子さんと一条和矢さんが担当。大地監督がけっこうおしゃべりで裏話をガンガン話してくれるのと、一条さんがわりとラフな感じで口をはさむので聞いてておもしろい(笑)

一条さんは最初、牛の声でオーディションを受けてたそうです。でも収録2週間前にアオベエもやってくれと言われて、いざ収録に臨んでみたら意外とアオベエの方がセリフ多かった、みたいな。なので最初は芝居がブレまくってた!と振り返ってました。初めてアオベエが発した「なんでゴンス?」の声を聞いて3人で大ウケしてたり。

大地監督はまず絵の話からでしたね。原案の犬丸りんさんのデザインが斬新すぎて絵を描く人が戸惑ってたそうです(笑)
口がふつうは縦に開くんだけど、お公家様のおちょぼ口みたいに横に開くようにしてる、とか。牛の歩き方も、お芝居で前足と後足にひとりずつ人間が入ってるみたいなユニークな形だったり。

 

おじゃる丸が始まった時は、監督をはじめみんな半年ぐらいで終わりになると思ってたとのことで。そのなかでただ一人「これ面白いよー?人気出るよー?」と言ってたのがこおろぎさとみさんだったらしい。ご長寿シリーズになることを唯一言い当ててたんですね。すごいやこおろぎさん。

 

 

サブタイトルから決まった「ソナタの冬」

 

続いては2005年放送の「ソナタの冬」。これは第8シリーズの話だそうです。おじゃる丸が西村ちなみさん、電ボが佐藤なる美さんという現在の布陣になってからの放送ですね。

ということで副音声は大地監督、渕崎ゆり子さん、西村ちなみさん、佐藤なる美さんの4人でした。

 

「ソナタの冬」っていうサブタイトル、あからさまに某韓流ドラマから取ったものですけどね。大地監督によるとおじゃる丸のストーリーは「年に1、2回、サブタイトルから決まるものがある」ということで。この話も韓流ドラマが流行った時に「おじゃる丸がプリンのことをソナタと言ってるじゃないか」とできたそうで。

おじゃる丸の飲み会の席でこの話が出たそうです。「みんなでマフラーとかしちゃえばいいんじゃないですか?」みたいな。まぁそんなノリで作られた話だっていうのは見ればわかります。わかりますよ、ええ。

 

ということで、この話はカズマとおじゃる丸が電ボを探し歩くという何気ないストーリーになってるんですけどね。会う人会う人が全員、あのヨン様っぽいマフラーをしているという。そしてそのことを誰もツッコまないままさらりと話は進む、と。しまいには雪まで降ってきちゃう、と。

出演者のみなさんもこのネタは大人向けだよね、ってことで「子どもには全く伝わらないだろう」みたいな感じで言ってました(笑)

 

 

電ボが主役の「100回目」

 

続いてチョイスされたのは2010年放送の「100回目」。まぁ、たまにこういう振り切った回ありますよね。「ソナタの冬」のナンセンスさとはまた違う方向に振り切ってるというのかな。

副音声が大地監督、西村ちなみさん、佐藤なる美さんだったんですけど、口をそろえて「電ボがひどすぎる」だの「電ボのキャラが崩壊してる」だの言ってました(笑)

 

恋多き電ボがこれまでに99回振られ続けてて。しかしめげずに100回目の恋を誰としようか、相手を探してさまよってます。ゴミ捨て場にいたミラーボールや、ケーキに乗ったいちご、バラの花やらニホンカモシカやら川岸に落ちてる長靴の片方やら・・・。

最終的には候補の11人全員にラブレターを渡して、最初にやってきた子と恋に落ちようと決めた電ボ。しかし結局は11通のラブレターをまとめて突き返され、見事100回目の失恋を成し遂げるというオチでした。

 

電ボを演じる佐藤なる美さんは、電ボが失恋するエピソードを収録するたびにご自身まで傷つくそうな。収録後に家にまっすぐ帰れなくて、打ちひしがれて一杯引っかけてから帰る、みたいな状態だそうです(笑)

 

 

記憶に新しい話題作「おじゃる17」

 

最後は2016年に放送された「おじゃる17」です。17歳になったおじゃる丸が、しかも小野賢章さんのイケボで出てくるってやつですね。放送後にすごく話題になったのがまだ記憶に新しいなぁ。今年度に入ってから続編も作られてましたよね。今回はおじゃる丸みずから「SNSでトレンドワードに入った話題作」と紹介してました。

 

副音声は大地監督と西村ちなみさんと一条和矢さん。で、始まっていきなり一条さんが大地監督にツッコみます。「なんでこれ作ろうと思ったの?」と。

大地監督がそれに答えてたのが興味深かったです。「19年目にガツンといきたいなーと」「おじゃる丸がもう空気みたいになってるから、ビックリさせたいなと」「17歳出してみようか!と」「アニメのトレンドも変わってきてて、美形がいいだろうと」。

見ている視聴者にインパクトを与えてやろうという明確な意思があったらしいです。それが見事にハマった感じですね。「放送終了後、おじゃる始まって以来、SNSがすごかった」とのことでした。

 

そんでもってこれ、脚本も大地監督が担当した回です。ストーリーの制作過程についても話してました。「まず月光町に17歳のおじゃる丸が立ってるシーンが、ぽんっと浮かんだ」「オチが決まって、途中はなんでもいいや、と」。

結局、タイムスリップものなんだけど、その背景については謎のまま説明していない。この17歳の美少年がおじゃる丸かどうかも作中でははっきりさせていない。ということです。だからこそ余韻が残るのかもしれません。上手いなぁ。

最後に17歳のおじゃる丸が消える時にカズマたちが口々に「おじゃる・・・?」と言うんですけど、それも声優さんたちには「はっきり言わないでください」と指示があったそうで。「おじゃ・・・?」くらいで止めている感じになってるとのことでした。

 

 

副音声でウラトークを流すっていうのは特に年末の「紅白歌合戦」で成功してる試みですよね。民放のドラマなんかでも最近は使われる手法です。でもただ番組を解説してたり、淡々と語っているだけじゃつまらない。成否の分かれ目がそこにあるんじゃないかと思います。

話す人たちが楽しそうであればあるほど、そして盛り上がって話が脱線していった方が面白いなと。今回は大地監督が制作の裏話をぶっちゃけてくれてたことと、声優さんたちのチームワークが感じられたことでものすごく聞きごたえのあるオーディオコメンタリーになってました。ありがとーございまーす!

まさに大人向けの語り、子どもに邪魔されずに深夜にじっくり聞きたいって感じです。

 

 

まったりな。

 

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