おじゃるが現代の東京でみせたシュールとまったり。実写版「おじゃる丸　アニメじゃないでおじゃる？」

アニメ「おじゃる丸」の実写版が2017年11月3日(金･祝)に放送されました。

この週、5日間にわたって忍たま25年とおじゃる20年を祝うスペシャル番組をやってたんですよね。そのひとつとして企画されたのがおじゃる丸実写化です。･･･ってなんで実写化。

昨今はなんでもかんでも実写化すりゃいいってもんじゃないよって風潮ですけど、まー、このおじゃる実写に関しては番外編っていうかスピンオフっていうか、大地監督が内輪で作ったインディーズ作品みたいな匂いがするので、むしろこちらとしてはそれを見せてくれてありがとうな10分間。

お正月に再放送があるみたいです。

2018年1月2日(火)18:00～18:49
おじゃる丸20年スペシャル「さらば　まったりの日々よ」「アニメじゃないでおじゃる？」

ちなみに「さらば　まったりの日々よ」の方はちゃんとしたアニメ(笑)です。こっちは前・後編で2日にわたって放送されました。つなげても違和感がないように構成されてたんで、40分間ノンストップでひとつの作品という扱いになるかな。

祝おじゃる20年企画での実写化

それにしてもなぜに実写化だったのか。いくらアニメの実写化が流行ってるとはいえ、それに乗っかった感じが微塵もしないおじゃるの実写化。

なぜって、流行りの実写化の場合は原作漫画やアニメの人気をあてこみ、メジャーな俳優陣でファンも取り込んで興行収入ウハウハ、みたいな目論見が裏に見え隠れするんですよ。

それに対して、おじゃるの実写化ってむしろおじゃるの世界を難解にしすぎてます。ふだんおじゃる丸を見てる子どもたちに向けたものでもなさそうだし、名前だけで視聴率を取れる著名な出演者を起用しているわけでもないし。これ見て喜ぶのって、大地監督のこれまでの所業を思い出してニヤっとするマニアぐらいのもんだと思いますけど。

もしかしたら、例のごとく酒の席での与太話で実写化の話が出たか何かで、面白がってその予想を覆すナナメ上の作品を作って見せたというのが真相なのかもしれない。という感じでとりあえず自分のなかでは落ち着きました。

ラッパーとレイヤーとプリン

多分、見てない人は実写版おじゃるがどんな話かさっぱり分からないと思います。簡単に説明するならラッパーと子どもとコスプレイヤーが出てきて、雅な青年がプリン食べて消えた。という感じです。よけい分からないですね。そうですね。

そういえば放送前に配役が発表になった時、そのなかで知ってたのはあばれる君ぐらいでした。アオベエっていうより本田先生っぽいなぁと勝手に頭のなかでキャスティングしてたんですけど、その他の出演者はどうも子役らしくて。子どもが3人だから子鬼トリオか？とかいろいろ想像してました。だけど結局「おじゃる丸」でおなじみのキャラクターは結局誰ひとりとして出てこなかったという。そんな人を食ったような作品でしたよええ。

ちなみに主役のゆうたろうさん、名前は知らなかったんだけど、調べてるうちに「Rの法則」に出てる子だったと分かって。あのメガネの男のコかー！ってなりました。両方ともEテレ18時台の番組なんで、「おじゃる丸」からずっとテレビつけてたら「Rの法則」になるし、主演と言われても違和感なかったかな。番組つながりの仲間みたいな感じで。

この実写版「アニメじゃないでおじゃる？」のストーリーというか空気感を説明するのはすっごい難しいなぁと思う。唯一なんとなく似てるなぁと思いだしたのが「ゴー！ゴー！キッチン戦隊クックルン」のスぺシャルで放送された「マンゴーエージェンシー」です。（また誰にも伝わらない例えを。）

スピンオフでありながらキャラクターの設定も行動もガラっと変わっちゃって、独自の世界が広がってたあたりがね。「マンゴーエージェンシー」って言われてもそれ何？って感じできっとこのままひっそりと人々の記憶から消えていくんでしょうけど、この「アニメじゃないでおじゃる？」も似たような雰囲気がただようんですよねぇ･･･。

時が経てば、あぁそういえば確かそんなのあったね、って大人だけが覚えていそうな気がします。

そんなわけで「おじゃる丸」を舞台にNHKの予算と伝手を盛大に利用した大地丙太郎監督の独創的な二次創作をどうぞお楽しみください（違うわ）。