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「おかあさんといっしょ」2017春特集感想(4)ミニミュージカル『天才よしナルド大ピンチ!』

「おかあさんといっしょ」で年に十数回行われるファミリーコンサート。

地方公演ではお兄さんお姉さんたちによる歌や体操のほかに、ミニミュージカルという30分程度のストーリー仕立てのお芝居が繰り広げられます。

コンサートで歌をしっとりと聞かせる分、このミニミュージカルの部分はたいていコミカルに進行します。けっこう振り切った雰囲気でちょいちょい笑わせにくるんですよね。

そういえば、だいすけお兄さん&たくみお姉さん時代の終盤は、出てくるキャラがみんなイっちゃっててまともな登場人物がひとりもいないっていうカオスな年もあったな・・・。こいつらならどんなキャラでも演じ切ってくれるだろうっていう絶大な信頼感があったのか(笑)

 

今回はあつこお姉さんが初年度ってこともあってコント要素はおとなしめになるのかなぁ、と思ってましたけど、何のその。

小林よしひさお兄さんと上原りさお姉さんにスポットが当たったというのかな。この2人がいつも以上に頑張ってくれてた感じです。

 

そんなわけで2016年度のミニミュージカルは「天才よしナルド大ピンチ!」です。

タイトル見て、アヒルでも出てくるのかなーなんて思いながら見たけど出てこなかった(それはドナルドダックだ)。

 

 

 

 

よしお兄さん&りさお姉さんのラップ

 

ミニミュージカルは『よしナルド・ダ・ピンチ!』という歌ではじまります。このストーリーのために作られたオリジナルソングですね。

天才芸術家のよしナルド・ダ・ピンチと、その助手であるドンナモンナ・リサ(略してドナ・リサ)が歌いながら自己紹介をしつつ、これからはじまる物語の設定を説明します。

これはまぁ要するに、最初っからくどくど説明したら子どもたちが飽きちゃうんで歌にしてみたんでしょうけどね。

 

なんとこれ、歌ってるのが体操のお兄さんとパント!のお姉さん。

歌のだいすけお兄さんじゃないよ、体操の小林よしひさお兄さんだよ。歌のあつこお姉さんじゃないよ、上原りさお姉さんだよ。

そんな風に思わず念押ししてしまいたくなるツーショットです。だって普段の「おかあさんといっしょ」では役割分担がものっすごい明確ですよね。上原りさお姉さんだって相当歌は上手いと思いますけど、絶対に歌わせることはしません。そこはビシっと徹底してます。

だからこれ、まさにミニミュージカルならではのスペシャル演出。

 

まぁ、今回は歌うっていうよりセリフをリズムにのせてるってことでギリギリOKとしたのかな。ふたりの声は、メロディを歌っているというよりはラップですしね。

 

「よしナルドーが、だいピンチ!」「NO!」「よしナルドーが、だいピンチ!」「NO!」「よしナルドーが、だいピンチ!」「NO!」

ラップがどんどん盛り上がってきて、最後ふたりの掛け合いになるとこ、迫力ありました。もはや全力で叫んでる感じで。

いつもは身体を動かすことが仕事ですからねー。さすがの肺活量だなぁと思ったりしました(笑)

 

 

イタリアンなよしナルド

 

天才芸術家よしナルド・ダ・ピンチっていうのは、歴史上の人物レオナルド・ダ・ヴィンチをもじった名前ですね。そんでもってドンナモンナ・リサ(略してドナ・リサ)はモナ・リザ。

ストーリーはよしナルドさんがスランプになって作品を仕上げられず、どれもこれも中途半端になってしまって大ピンチ。そこにやってきた他の登場人物がいろいろ手助けして、ひとつひとつ作品を完成させていく・・・というものです。

あらすじだけ聞くとほんわかと心あたたまるストーリーかと思うんですけど、そこはそれ、ミニミュージカルですから。ほんわかで終わるわけがない。しっかり笑いも取りにきますよ。

 

今回いちばん際立っていたのはやっぱ、よしナルドさんのキャラクター。セリフの最後にいちいち「マンマ・ミーア!」とか「グラッツェ!」とか叫んできます。それだけならまだしもたまに「カプチーノ!」とか。カタカナならなんでもいいのか(笑)

そんな感じで終始イタリアンな雰囲気をかもしだしている、よしナルドさん。まぁでも、意味のわかんない言葉を連発することで、ピンチとか言ってるわりには陽気な感じでいいんじゃないでしょうか。

「アンポンターン!ナポリターン!」とか、「なんてこったパンナコッタ!」とか、リズムの良い言葉を次々と連発してくるので小気味良いです。舞台をテンポよくすすめてるだけじゃなく、そのバリエーションも豊かだなぁなんて、脚本にもつい感心してしまったりして。

よしお兄さんとりさお姉さんの芸達者ぶりをも、たっぷりと堪能できるキャラクターでした。

 

 

よしナルドのピンチにみんなが協力

 

ということで、天才芸術家よしナルドさんの未完成作品にみんながアドバイスしたり、ヒントを提供したり。そうやってひとつずつ作品を完成させていくんですけど、ミュージカルとしてはその過程で歌が流れるという構成になってました。

 

まずは色が決められないというよしナルドさんに、好きな色を塗ったら?とアドバイス。
「どんな色がすき」 作詞・作曲 坂田修

 

ムームーが持っていたキラキラした石をヒントに、夜空に浮かぶ星座の絵が完成。
「きらきら星」 作詞:武鹿悦子 フランス民謡

 

モデルをする時、緊張して顔が固まってしまうというドナ・リサに、顔をほぐすための歌をうたってあげたり。
「どんなかお」 作詞・作曲 かしわ哲

 

楽しい気分になれば笑顔になれるよ!とアドバイス。
「きらきらきらりんミュージカル」 作詞:井出隆夫 作曲:斎藤ネコ

 

よしナルドさんの動かない発明品、間違ってたところをガラピコが教えてあげました。
「おてんきじどうはんばいき」 作詞:桑原永江 作曲:福田和禾子

 

最後はみんなのおかげでたくさんの作品が完成したぞー!ということで、物を作り上げた達成感とともに歌いました。
「いっしょにつくったら」 作詞:谷山浩子 作曲:谷本新 編曲:柿崎洋一郎

 

ラストは「いっしょにつくったら」。ゆったりした曲調で締めましたね。

だいすけお兄さんとあつこお姉さん、短いフレーズを交互に歌うんじゃなくてそれぞれソロパートが長いんです。

この歌、知らなかったんだけど、あらゆるものの存在を肯定してくれるような胸にぐっと沁みる歌詞です。だいすけお兄さんが会場に語り掛けるようにじっくりと歌い上げてくれたのが印象的でした。

そしてミニミュージカルは「みんなもいろんなもの作ったり描いたりしてね!」という感じで幕。「いっしょにつくったら」の歌の雰囲気そのままに、しっとりと終わりました。

 

でも実はそこにはもう、よしナルドとドナ・リサの姿はないんです。

冒頭でインパクトのあるラップをいきなり披露し、ここまで賑やかにミニミュージカルを盛り上げてくれた立役者のふたり。

しかしだいすけお兄さんのソロパートでりさお姉さんが、あつこお姉さんのソロパートでよしお兄さんが、ガラピコぷ~のみんなと戯れつつ、すっと舞台からハケていくという演出になってます。

 

ここら辺はおそらく次のコーナーの準備のため、先にいなくなったんじゃないかと思われますけどね。

強烈なキャラクターの余韻を残さず、気づかれないぐらい自然に去って行ったあたり、今年はきれいにまとめやがったなー!(褒め言葉)と思ったりしました。

 

メモリアル!

 

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