「フックブックロー」ほんと大好きなんです。
そして過去形になってしまうのがとても残念なんだけど、平日朝に放送されていた「フックブックロー」はその役割を終え、後継番組である「コレナンデ商会」にバトンタッチしました。
2016年度も引き続き「フックブックロー ミニ」の方は目にすることはできますが、見たところ、これも残念ながら2015年度に作られた再放送を流してるに過ぎないようです。
この「フックブックロー」の舞台となった「はんせい堂」は古書店でした。
なので、誰もが知っている絵本や名作に絡めたようなエピソードがたくさん出てきました。言葉を取り上げた楽しいお遊びも多かったですね。
「迷作4コマ絵本」や「爺が自賛」、「かいかいだんだん」・・・。いろんなコーナーが思い浮かびます。
でも、何と言ってもこの番組の魅力は歌にあったんじゃないかと思います。
「フックブックロー」の魂はその歌声にあったと、そう言っても過言ではないんじゃないかと思います。
最終回もしおりちゃんがDJブースからお届け
朝に放送していた「フックブックロー」の方は、2015年度は傑作選というか過去に放送されたものからのセレクトでしたからね。
2016年3月31日に放送された「フックブックローミニ」が、実質的に2015年度「フックブックロー」の最終回になりました。
ミニは5分しかないので、毎回2曲ぐらいを流して、その合間に短いエピソードをはさむというスタイルなんですけどね。
最終回といえどもそれは変わらず、いつも通りのはんせい堂の雰囲気を感じさせたままでした。
言われなければラストだって気づかないぐらいさりげない進行だったんです。
番組の冒頭、しおりちゃんがいつものようにDJブースから語り掛けます。
それはただの季節の挨拶のようで、しかし「フックブックロー」という番組からの最後のメッセージ。
春は、別れと旅立ちのシーズン。
でも、ひとつのさよならは、きっとたくさんの新しい出会いに続いています。
そうです、旅立つ方も見送る方も、精一杯ほほえんでさよならを。
スマイル!
そして流れたのがオリジナルソング「握手でさよなら」です。
この曲が初登場したのは去年の12月のことでしたけど、なんて最終回感あふれる歌詞なんだ!とうるうるしたのを覚えてます。ずばり「フックブックロー」終了のために用意した曲だとは思ってたんだけど・・・。
この最後の回に持ってくるよねー!やっぱりー!!
キャスト全員による「握手でさよなら」
「フックブックロー」のキャストの皆さんは本当に歌がお上手です。
上手という言葉ですら、ちょっと表しきれないような感じです。
ただ単に正しい音程で歌えるとか、ちゃんとリズムが取れるとかそういうことじゃないんですよね。歌声に感情をのせられるというのかな。
歌を通して、テレビの向こうに魂を届けることができるような存在。
だいたい、番組が始まった時に、リリックに浦嶋りんこさんがキャスティングされてると気づいた時にひっくり返りそうになりましたからね。
そのことをとっても、「フックブックロー」という番組は、特に歌に力を入れていた、歌を届けようとしていたんだなぁということが分かります。
ということでキャストたちの歌声を噛みしめながらじっくりと聴きとったので、誰が歌ってるパートかというのもついでに載せときます。(違ってたらごめん)
あくしゅでさよなら(女性陣)
めとめでありがとう(男性陣)
キミにであえて ほんとによかった(もくじい)
よろこびかなしみ(ゴージ)わけあいいきたね(ケッサク)
かけがえのない(ケッサク)くいのないひを(ケッサク+コーラスでリリック)
わすれないよ(もくじい)わすれないで(リリック)
いのってるよ(ケッサク)しあわせにね(しおり)
せなかをむけても(男性陣)おなじそらのした(女性陣)
きっとあえる ほほえんでまた(全員)
あくしゅでさよなら(女性陣)
てとてをゆきかう(男性陣)
このあたたかさ ひとつのぬくもり(もくじい)
キミからぼくへと(ダツジ)ぼくからだれかに(ケッサク)
つたわっていくんだ(ケッサク)もらったあいが(ケッサク+コーラスでリリック)
わすれないよ(もくじい)わすれないで(リリック)
まけないから(ケッサク)まけないでね(しおり)
きせつはめぐって(男性陣)ひとはかわるけど(女性陣)
きっとあえる ともだちのまま(全員)
きっとあえる ほほえんでまた(全員)
きっとあえる じゃあねまた(リリック)
ちなみに天野ひろゆきさんのソロパートは、1コーラス目と2コーラス目で声を使い分けています。ゴージとダツジそれぞれの声で歌ってます。
ただ全員で歌うときはふたり分の声を重ねることはしてないようですね。
キャラクター全員で歌ってるというよりは、キャスト全員で歌ってる、という趣が感じられます。
そしてやっぱり、リリックが要だなぁと。
サビに入る前の「かけがえのない くいのないひを」の所、ケッサクくんが歌ってるんですけど、後半の「くいのないひを」でリリックのハモりが加わります。盛り上げるよねぇリリック。
最後もね。別に全員で「きっとあえる ほほえんでまた」で締めてもいいんですよ。でもその後リリックが静かに締めるんですよ。「きっとあえる じゃあねまた」。やってくれるねリリックー!!
キャラクター的には主役であるケッサクくんやしおりちゃんあたりが締めるのが自然だろうとも思うんですよね。
こういうパート分けになったのは、やっぱキャラクターを中心にして考えたわけじゃなくて、キャストの歌声をどう活かすかってとこに執心した結果じゃないかなぁ。
谷本賢一郎さん、中尾隆聖さん、折笠富美子さん、天野ひろゆきさん、浦嶋りんこさん。
この歌は、キャストの皆さんが届けてくれたプレゼントっていう感じがします。
素敵なプレゼントをありがとうございました♪
そしてやっぱりいつも通りのはんせい堂
歌が終わったあと、ケッサクくんが出てきました。カメラのタイマーを押し、「いくよ!」
はんせい堂のメンバーが横一列に並んで記念撮影をするようです。
タイマーがピッ、ピッ・・・と電子音を刻むなか、ケッサクくんも急いでその隣に戻ります。
もくじいが「せーの!」と声をかけると、全員で一斉に「スマイル!」リリックもそれに合わせて「ニャー!」
その瞬間、カメラを支えていた三脚がゆっくりと横に倒れていき・・・。
それに写ろうと、皆の顔も合わせるように斜めに倒れていき・・・。
カシャ!と撮れた写真は結局、みんなが斜めになったり倒れたりしてるという、いつものはんせい堂を象徴するかのようなユーモラスな光景でした。
これ、ものすごく短いシーンです。カメラのタイマー押して、写すまでのほんのわずかな瞬間を切り取ったものですよね。キャラクターのセリフも短くて、ポーズ決める時に「スマイル!」って言ってるとか、せいぜいそのぐらいなのかな。
あーでも、この短いシーンを撮るために、キャストが全員集まったんだなぁ。
ラストはオリジナルソングから「ほほえみ写真館」が流れました。
ウィンドーに たくさんの おすまししたかお
そこだけ ときがとまってる しゃしんかん
みんなみんな ここへきて たいせつなおもいで
えがおといっしょに うつしてく ほほえみしゃしんかん
流れてきた「たいせつなおもいで」という歌詞にこれまでの思い出を振り返ったりして。
そして偶然かもしれないんだけど、「そこだけ時が止まってる」という歌詞がまさにはんせい堂を表してる・・・と思いました。
終わると聞いていろいろ妄想してたんですよ。
はんせい堂はやっぱりしおりちゃんが継ぐの?ケッサクくんはフリーター卒業するの?ゴージとダツジは大学受かるの?などなど。
でも結局のところ、はんせい堂ははんせい堂のまま、どこかで日常を過ごしているんだろうなぁ。
我々はそのひとコマを切り取って、見ているに過ぎないんだなと。
そんな彼らの物語に決着を求めるのは、見ている立場のわがままなのかもしれません。
個人的などうでもいい話ですけど「フックブックロー」を見てて『君をのせて』が流れてくると泣いちゃうんですよ。
美しい歌声が心に響きすぎるというのかなぁ。胸がじーんと熱くなってしまって危険な曲です(笑)
でも、子どもにとってはふつうに隣にいる母親がいきなり泣いたりしたら怪しいじゃないですか。
だから『きみをのせて』が流れてくると急いでテレビから遠ざかって逃げてました。
朝の放送が無くなってしまったので、もうそんなことはなくなるかもですね。
最新アルバム発売。
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