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「おかあさんといっしょ」2015年6月のうた『ひかるみらい』

「おかあさんといっしょ」2015年6月のうたは『ひかるみらい』です。

 

『ひかるみらい』
詞:木村 優作
曲:高野 康弘
アニメーション:おーの もとき
CG:川口 創史
振付:大島 毅
 
作曲の高野康弘さんのお名前は確か前にも見たことあるなーと思って。
思い出したのが『まほうのとびら』ですよ。魔法の扉を開けて、不思議な世界へ冒険に出かけていくという歌でした。
今回の『ひかるみらい』とも、物語性のある楽曲という点で共通してるかもしれません。
 
この高野康弘さんは1967年生まれ。CMソングやアーティストへの曲提供などでかなり実績がある方らしく、「おかあさんといっしょ」がらみでは他に『ボロボロロケット』の編曲を手掛けられているそうです。
 
作詞の木村優作さんの方は、検索したら同姓同名の方々がやたらいっぱい出てきてしまったので、ご本人がどれなのかはちょっとよくわかりませんが。
新進気鋭の作詞家の方、という感じでいいのかな?「おかあさんといっしょ」ではお初にお目にかかるお名前なのかもしれませんね。  
 

 

 

ストーリー性のある『ひかるみらい』の映像

 
今月の『ひかるみらい』は感動系というか、見てて清々しくなるような、勇気をもらえるような曲なんです。
 
初めて聞いた時に、『ぼよよん行進曲』とか『ドンスカパンパン応援団』とかが思い浮かびました。
曲調は全然似てないですけどね。応援されてるような、励まされるような感じが同じカテゴリというか。背中を押してもらってるような雰囲気のある曲なんですよね。
 
その印象は、歌に添えられた映像によるところも大きいんじゃないかと思います。
映像の構成に、ちょっとしたドラマ(?)が隠されているんです。
 
 
まず最初はこんな歌詞なんですけどね。
 

かおあげて そらを みてごらん

うつむいてちゃ にじは みつからないよ

 
たくみお姉さんとだいすけお兄さんが、船の上で歌い踊ってます。
まるで映画に出てくる中世の冒険家をイメージしたような衣装。乗っている船は白い波につつまれて前進しているようでもあり、これから旅に出るのかな?みたいな雰囲気があります。
 
しかし次の歌詞で、いきなり場面の違うアニメーション映像に切り替わるんですね。
 

くやしくて こぼれた なみだは

きっと きみの ゆうきになる

 

 男の子の目から、涙がポロリ。

だけど歌詞に合わせて、キッと前を向きます。その姿は光につつまれて、前に踏み出す決意をしたかのように。

 
あれ?今月のうた、たくみお姉さんとだいすけお兄さんが歌って踊る映像だけじゃないんだ。この男の子のアニメーション映像が交互に出てくる感じなのかなぁ?
・・・なんて思いますが、その種明かしは終盤にあります。 
 

男の子と犬一匹が冒険に出るアニメーション映像

 
たくみお姉さんとだいすけお兄さんがさわやかに歌うAメロから一転して、次のBメロでは、突如アニメーション映像に切り替わり、男の子と一匹の犬を映し出します。
 
ここはぬいぐるみのコマ撮りアニメーションですね。アニメーションの部分を手掛けたのは、コマ撮りアニメーターのおーのもときさんという方だそうです。
派手さのない朴訥とした雰囲気のぬいぐるみ。男の子や犬の表情も素直で、万人に好感を持たれそうなデザインです。
 
ちなみに男の子のそばにいるお供の犬は、茶色い編みぐるみなんですね。びっしり編み目が見えてるのが笑えるというか可愛いというか。毛糸で編まれた風合いの暖かみも感じられてラブリー。
ふつうに雑貨店とかで売ってそうな可愛さだなぁと思って見てました。
 
 
そしてサビではふたたび、たくみお姉さんとだいすけお兄さんの映像に戻り、ふたりが船の上で歌い踊る姿を見ることとなります。
 

さあ いこう ひかるにじ さがそう

あのそらの むこうに すばらしい ぼうけんが

そう きみを まってる

 

高らかに歌い上げ雰囲気を盛り上げた、たくみお姉さんとだいすけお兄さん。

そしてその曲調に呼応するかのように、ここからぬいぐるみの男の子(&犬一匹)の物語が一気に展開していきます。

 

子どもの冒険物語の背中を押す、お兄さんお姉さん

 
ひとたび盛り上がった雰囲気を保ったまま、その後の間奏からは、男の子が勇気を出して進みだす冒険譚が始まります。
野を駆け、石を飛び越えて川を渡り、時に雨に降られては、岩の下でじっと雨宿り。苦難を乗り越えて進んでいく様子が描かれています。
 
2コーラス目に入る頃には、空の雲が切れて明るい太陽が射してきました。
 

おひさまは いつでも あしたへ

つづく みちを てらしている 

 

歌詞に合わせておひさまにてらされ、男の子と犬が山の上から遥か彼方を見晴らす壮大な景色が描かれます。まるで進むべき方向が示されているかのように。

 

そしてサビ。映像は切り替わり、またまた、たくみお姉さんとだいすけお兄さんが出てきます。

 

さあ いこう ひかるにじ さがそう

きみならば ゆけるさ

だれもみたことのない せかいへ

 

心なしかふたりが乗ってる船のスピードもさっきより上がってて、勢いよく奥から手前にびゅーんと進んできます。

アレンジも1コーラス目より派手になってて、メロディの後ろにあるリズム楽器がドンドコドンドコ鳴ってますね。音楽的にも心高鳴るような仕掛けがされてます。

 

さらにサビ繰り返し。

ぬいぐるみの男の子がいた地面が突然動き、パックリと割れて、実はクジラの背中に乗ってましたー!!という場面です。

 

さあ いこう にじのはし わたろう

あのそらの むこうに ゆめみてた ぼうけんが

そう きみを まってる

 

船の上から手を振るたくみお姉さんとだいすけお兄さん。そこからどんどんカメラを引いていくと・・・。

お兄さんお姉さんがいたのは空の上!!船の周りで波のように見えたのは雲だったんです。空に浮かぶ船、そこから男の子に手を振っていたんですね。

 

というわけで、交互に出てきていた実写映像とアニメーション映像のふたつの世界が、ここに来てなんと一体となりました。

それまでは全く関係ないように見えていたんだけど、お兄さんとお姉さんはふたりだけで歌い踊っているように見えていたんだけど。

ずーっと、ずっと、この男の子のことを空から応援してたんですね!!

 

ラストは、クジラに乗って颯爽と空を進んでいく男の子のことを、背後から見守り手を振って見送るお兄さんお姉さん。

 

ひかるみらいが きみを まってる

 

そのまなざしが優しくて、なんだかうるっとします。

なんでかなぁ。多分、子どもを見送る親の姿を、テレビの中のお兄さんお姉さんに重ねて見ているからかもしれません。
子どもが成長していくその道を、後ろからそっと応援している気持ち。その先には山越え谷越え、さまざまな苦難もあることでしょう。頑張って乗り越えていくんだよ、なんて。

そんな想いを、知らず知らずのうちに重ねて見てしまったのかなぁ、なんて思ったりしたのでした。

 

というわけで思いがけず感動してしまった「おかあさんといっしょ」2015年6月のうた『ひかるみらい』。

何度も何度も見返したくなるような、素敵な映像作品としても楽しませてもらいました。

 

 

魔法の扉をあ・け・て~♪

 

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