「おかあさんといっしょ」2015年5月のうたは『シール☆ハレハレ』。
ひとことで言っちゃうと「シール貼るのって楽しいよね~☆」って歌です。
そしてこの歌、シールを貼るという行動の楽しさを歌うだけじゃなく、シールを子どもたちの想像力をかき立てるツールとしても表現しています。シールを貼れば、平凡な日常がいろんな世界に早変わり!
動物シールを貼ればジャングル探検に出発!
乗り物シールを貼れば世界旅行に出発!
そんな風に貼るだけで世界がガラリと変わっちゃう魔法のアイテム、シール。
子どもにとってシールどんだけすごいの、っていう威力を歌う今月のうた『シール☆ハレハレ!』です。
『シール☆ハレハレ!』
作詞:桑原 永江
作曲:大橋 恵
アニメーションのイラストは西内としおさん。「おかあさんといっしょ」では体操『ブンバ・ボーン!』の時にも毎日見ているので、もはや身体に馴染んでいると言ってもいい、温かみのあるイラスト絵です。
そのほかにも最近だと2012年4月のうた『ハートがいっぱい』や、「みんなのうた」2014年8-9月の『南の島のココナッツ』などが西内としおさんのイラストですね。
そしていつだったかわが家ではバームクーヘンをもらったんですけど、その子ども向けのパッケージイラストに「何かこの感じ見たことあるなぁ・・・」と思ったら、それも西内としおさんでした。
バームクーヘンで有名な洋菓子店「クラブハリエ」のキッズ向けプロジェクトに携わっていらっしゃるようです。
気づけばじわじわと日常に浸食してる西内としおイラスト。Eテレ以外で見かけると、思わぬ場所で知り合いに会ったような気がしてなんとなく嬉しいです。
親にとっては悪夢がよぎるハレハレ
えーと、でもこの歌聞いて、子どもにシールべたべた貼られた悪夢がよみがえって「いーやーぁ~!!」って悲鳴をあげたお母さま方いらっしゃいませんか。
そう、子どもっていうのはシールなんて与えようもんなら、嬉々としてどこにでも貼っちゃうわけですよ。
わが家も、6歳坊主と3歳坊主によって、家具やら家電やら書類やら、いろんな物がすでに犠牲になっております。しかもこっちがすぐに気づかず、数日経って発見なんてされようもんならなかなか取れない。そして弟が兄の大事なオモチャにシールを貼ってしまって殴り合いのケンカ勃発。うぎゃぁあ~!みたいな感じです。やーめーてー。
親戚や知人は単純に「子どもはシール好きだろう」って思うらしくて、よくプレゼントにもらったりするんですけどね。それはそれで有難く頂戴するんですけどね。でも坊主どもにシール与える時には自分もそばにべったり張りついて、監視ですよ監視。
もちろん「これには貼っちゃダメだよ」って言い聞かせるんですけど、子どもにしてみたら「だったら他のモノならいいんだな」って程度の解釈ですよ。応用なんてききませんよヤツら。
だからここの歌詞なんて危険きわまりないです。
おもちゃに「ハレ!」
かばんに「ハレ!」
ダンボールのきち「ハレハレ!」
ペタペタ ペタペタ ペタペタ ペタペタ
「キャー ゆかには はらないでー!」「はいッ!」
床に貼るなとは言ってますけどね。そうすると子どもは「あぁそうか、床じゃなければいいんだな」って理解して、壁とか柱に貼るんです。間違いないです。(泣)
スリルぎりぎりのところにひそむ面白さ
歌に出てくるこの母親の悲鳴、「キャー ゆかには はらないでー!」。
この部分はもちろん、シールをどこにでも貼っていいわけじゃないんだよと子どもたちに注意を促す趣旨で入っていると思うんですけどね。
こういう注意事項入りの歌って、「おかあさんといっしょ」ではたまに出てきます。
例えば2014年10月のうた『ぐいーん・ぱっ!』。エレベーターの動きの楽しさを歌っているんですけど、子どもが公共の場でイタズラしないようにということで、こういう一節が歌詞に入れられています。
あちこち押したらボタンが困るぞNO!NO!NO!
あと思いつくのは2010年5月のうた『ジューキーズ こうじちゅう』。工事現場の重機たちのカッコよさを歌っているんですけど、それに憧れるあまりに子どもたちが危険な場所に入らないように、こういうセリフが入っています。
みんなは はなれて おうえんしてくれよ?
「おかあさんといっしょ」で流れる歌は、視聴者が多い分、世間的な影響も大きいでしょうから、子どもたちに注意を促すことはもちろん、クレームをつけられないための防衛という意味でも、こういう一節は必要なんじゃないかと思いますけどね。
この歌のせいで子どもが危ない目にあったなんて言われたら、たまったもんじゃないですしね。
ちなみにこの『ジューキーズ こうじちゅう』、たまたま歌詞を確認するために調べていたところ、今回の『シール☆ハレハレ!』と同じ、作詞:桑原永江、作曲:大橋恵コンビによる作品だとわかりました。
子どもたちの好奇心とスリルをあおる、ぎりぎりの線を分かっていることが名曲を生み出す秘訣なのかもしれません。(いやそうじゃない穏やかな歌もたくさんありますけど。)
ヤツらに気をつけろ。
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