今月のうたは、ほんわかなイラストにのせて「ぼく」が歌ううた。
作詞・作曲 つだみさこ、『きみ』です。
つだみさこオフィシャルサイト「みんな分のいち」http://www.fantasista-web.com/misako/
今月のうた『きみ』は、子どもがノリノリで楽しんで歌う!って感じじゃないんです。
大人の方がじんわり気持ちがあったまるような、そんな歌です。
「そよそよの木の上で」とか「ママのたからもの」とか、そういう雰囲気をちょっと思い出しましたけど、静かにおだやかに、でも大切に守りたい気持ちを歌ってくれます。
さてこの歌、だんだん聞いているうちに最後に主題がわかるという、ちょっとした仕掛け(そんな大げさなもんでもないけど)がしてあります。
まず最初はこうです。
♪きみが きになる きいろい きみが
♪とろとろかな かたまったかな ぼくごのみの きみ
ハイ、しょっぱな、卵の「黄身」を歌ってます。
え、「きみ」ってそっち!?実はたまごの歌?ポンヌフ?とか思いつつ、「ぼく」が何を歌っていくのか引き続き聞いていきましょう。
で、次はこうでした。
♪ちいさなみが きになる あかいろ きのみ
♪あまいのかな すっぱいのかな ぼく みあげる みき
「黄身」に続いて「木の実」や「幹」が出てきました。若干ダジャレというか、言葉遊び入ってますね。
で、これまで日常の何気ない風景を歌ってきた「ぼく」の置かれている現状が、突如としてここから展開していきます。
♪きみが きになる ちいさい きみが
♪わらうかな ないちゃうかな かわいい ぼくの きみ
この辺りは歌の1コーラスめ、2コーラスめと言葉をさりげなく似せていて絶妙なんです。
「きいろい」「ちいさい」、「ぼくごのみのきみ」「ぼくのきみ」・・・。
でも全く違うものについて歌っています。
ま、見ている人はまずイラストでわかりますよね。
そう、「ぼく」のおうちに、赤ちゃんが生まれたんです。
ラストはこう締めくくります。
♪ふれてみたい きみに すこしこわい こわれそうで
♪ぼくの いもうと だいじな ぼくの かぞく
・・・というわけで、「ぼく」に「いもうと」ができたというお話でした。
この、上の子がいっしょうけんめいに下の子を想う姿っていうのは、親の方がホロリとさせられますよね。
今回の絵を見ると、いもうとを抱っこできるぐらい大きな「ぼく」ですから、5歳ぐらいは離れているのかな?って感じです。
もちろん絵はイメージなので、歌われている兄妹をどう想像してもいいんですけど。
小さな存在を、健気に大事に守ろうとしている姿。
それだけで胸がじんと熱く、ホロリと涙してしまいます。
実は、きょうだいっ子を持っているお母さんたちへのエールなんじゃないかと。
こっちも大変なんだけど、産んでよかったな、がんばってこの子たちを守っていかなきゃな、って。
そういう感情をあらためて呼び起こされるような歌でした。
つい熱弁ふるっちゃいましたが、実物はほんわか可愛い歌ですよ。